朝がたどんより立ち込めていた雲も午後にはひっこみすっかり夏らしさを取り戻した炎天で、つういんもありつつひさしぶりにたのしくすごすことができたおやすみでした。
昨晩は日中ぐったりししすぎたせいかまったくねむれなくなってしまい魔法薬を追加してなお 3 時、さらにつういんのため 7 時過ぎには起きなくてはならずなかなかくるしい展開です。早起きって起きることそのものはもちろん前日のプレッシャーがほんとうにきつくて、結局それでねむれなくなるのでまったくくるしいばかりでほんとうにイヤになります。
起きてからはシャワーを浴びてむりやり目を覚まし、バスに乗って病院へ向かいます。時間を調べるのもめんどうだったので身づくろいを終えしだい家を出る戦略をとったらちょうど一本逃してしまったようで、そこそこ暑い中をしばらく待つハメになり到着前からくたくたです。
病院についたらまず臨床試験センター室で軽い説明を受けてから血と尿をとり、1 時間半ほど待合室でひたすらねむって時間をつぶしたら診察です。診察自体は特筆すべきこともありませんが、待合室におそらく持参したのであろうワンピースをがっつり読んでいるひとがいたのがめちゃくちゃよかったです。たしかに大航海に思いを馳せたくなるほどの待ち時間でした。
診察を終えたら処置室で自己注射をやってみます。とりあえず前回までで副作用は起きないであろうことがわかったので、今回はこの先自宅で打つ練習としてパッケージの開封からすべて自分でやることになりました。今日に限って妙にギャラリーが多く学生のひとが見つめる中で準備しなくてはならなかったのでよけいに緊張しました。前回は足に打っていたのをお腹に変えてみたら思ったよりいたかったのもびっくりです。どうやら刺す位置を微妙に間違えていたっぽく筋肉に刺さってしまったらしい、こうなってくるとがぜん一番いたい場所とかを探求してみたくなりますね。注射を終えてから 1 時間ほど様子見の時間があったので処置室特有の長時間寝ることを想定していないベッドでぐっすり寝ました。平日のお昼にみんながわさわさしている気配を遠くに感じながら寝るのっておとなになってからもっとも保健室に接近する瞬間だと思います。
さいわい今回も特に問題は起きなかったので次回のつういんまでに自宅で打つぶん二回を入れたクーラーバッグと針を捨てる箱を受け取ったら会計しておわりです。家で打つのはまあいいのですが毎回この分量を持ち帰るのはさすがにだるいですね。ついでに支払いゆるしてにゃん状を更新するためにお医者さんから一筆もらうための手順もこなしました。一筆もらうためだけに 証明書発行の窓口で番号札をもらう → 発行したい証明書の種類を記入 → すぐ呼ばれるのでもう一回ぜんぶ説明する → 申請のレシートみたいなのがもらえる → レターパックを売店で買う → 申請のレシートとレターパックを各診療科に提出 という手順をこなさなくてはならないの毎回冗談だろと思います。あとこれは手続き全般でありがちですがあらゆる場面でちっちゃめのレシートを発行しすぎ、いらんやつなのかと思ったら手続きの最終盤でいきなり要求されたりするので毎回泡を食うハメになります。ドタバタはありつつも全体的にすいていたこともあって正午過ぎには病院をあとにすることができました。
とりあえず冷蔵の薬を家に持ち帰らないといけないのでまっすぐ家に帰って、しかしせっかく一日おやすみをとったのですし汗をふいたら午後は東京都美術館でやっているデ・キリコ展にいってみます。学校はなつやすみっ ☀️ 期間とはいえさすがに連休明けの平日ということもあり、直前でチケット制であることを知っておおあわてで確認したら予約できる程度には空いていました。会期が来週までなので今週末は激混みになるだろうしこのタイミングで行けてよかったです。
展示はその名の通りキリコの絵を肖像・形而上絵画・ネオバロックといったおおまかな年代に区切ってそうざらいする内容で、マヌカンの絵くらいしか知らないにわかでもそれなりにたのしめたいっぽうキービジュアルのアイコニックな表象とは裏腹に全体的に起伏に乏しいというかかなり淡々と進むので事前知識がないとちょっと焦点が散る感じがありました。なんというかこういうできごとがあってそれが絵画に影響を〜みたいなわかりやすいストーリーがなくて、ヌルッと従軍したり二回結婚したりしていることが解説にのみ語られるのでいまどこの何!?となってしまう、勝手に人生から意味と関連を見出そうとしてしまう物語依存症のかなしいさがですね。逆にいえばそういう現実のできごとがいっさい影響をあたえられないほどの心象風景というのが強固にあって、さまざまな形で執拗に表出しようとするこころみが結果としてずっと何言ってんの?みたいな一貫性にはなっていてなるほど技法で区切ることじたいが間違いなんだなとは実感しました。フォービスムのときも思いましたがあるジャンルの代表的な作家としてしられるひとでも生涯を通してみるとその手法に傾倒していたのはごく一時期ということが多くてびっくりしますね、同じことしてちゃダメなんだなというかそれでは満足できないんだなというダイナミズムのすごさみたいなものはたしかにあります。
ということで正直序盤の肖像画や形而上絵画的技法を探求した室内画はいまいちどこを向けばよいのかわからずドキドキしていたのですが、マヌカンが登場してからの盛り上がりっぷりはほんとうにすごくてここだけでも見てよかったです。すごい人が加速してさらに一段上のステージに登っている瞬間みたいなのって確実にあって、もちろん論ずるならそれ以外にも目を向けなくてはいけないのでしょうがただ見るだけならやっぱりいちばんおもしろいところだなと思います。しかしマヌカンにしてもキョーヨーがなさすぎてギリシア神話にまつわるモチーフがオイディプスくらいしか理解できなかったのはちょっとなさけなかったですね。
マヌカン以外にももちろんよい絵はたくさんあって、「サラミのある静物」はきっちりかかれたお皿の上にざくざくした筆致の脂身が印象的なサラミが置かれていて、全体の色調からしてそんな絵ではないのでしょうがそのギャップから妙にくらしのにおいがただよってきて好きな絵です。その後の絵画で再登場するらしい彫刻っぽいものの影がすでに落ちたりしているのも発見があっておもしろいですね。「岩場の風景の中の静物」はジメジメジトジトして不安な印象を与える岩場に雑然と置かれた妙に肉感的な果物という強烈な異物感がいい感じでカワイイし、画面ギリギリまでモチーフがギチギチにつまっている感じはしっかり形而上絵画の系譜なんだなと感じさせるものがあります。版画連作「神秘的な水浴」のひとつ「不安を与えるプールで」にも同じギチギチ感というか息の詰まるような閉塞したものを感じて、それが真っ暗なドアの奥からのぞいてくる感じがたまらないですね。
途中ではさまれた彫刻についても想像より見応えがあってかなりおもしろかったです。マヌカンを用いてまで表現したかった心象とか視点みたいなものがなめらかな曲面やそれを不連続につなぐへりの部分にたしかに垣間見える瞬間があってそれがめちゃくちゃ気持ちいい。なによりこれはほんとうになさけない感想ですが銀メッキされてきらきらかがやく人型の彫像ってあまりにバンダイすぎる。メタルヒーローのフィギュア見てるみたいで造形物としてテンションが上がります。
今回の展示については撮影禁止だったので全撮影のトロフィー狙いのひとがおらず快適……かと思いきや絵の一つ一つにオリジナルの採点をしているひとがいたので体験としてはあんまり変わりませんでした、最終的に絵に集中しすぎたのか背中からこっちに突っ込んできたのですごかったです。美術館に来るたび絵を見るのは好きだが美術館は別に好きじゃないなと思います。というか館と呼ばれる施設は全体的にでかすぎるうえランダムすぎてくたびれすぎるのでニガテです、たぶんこの場にいるほとんどのひとびとがうっすらそう感じているのだと信じています。あとやっぱり情操教育をほどこしている親子連れもいて、おとうさんの解説がおもしろいので思わず後ろをついていきたくなりました。
ひとまわりしたところでおなかもすいたので休憩がてら美術館内の喫茶店でビーフカレーとフルーツロールを食べました。コーヒーはおきすぎて納豆の香りがするしフルーツロールはつけあわせのソースがすっぱすぎて味がよくわかりませんでしたが、ビーフカレーはこういう場所で食べるどうでもいいカレーとしてかんぺきで非常においしかったです。帰り道には遅れてきた夏を味わうべく遠回りしてなるべく夏っぽいルートを歩いたのですが、いかにもなつやすみっ ☀️ 真っ最中というかんじの子供たちとすれ違ってしにたくなるばかりでした。
帰ってからは部屋をこづめて、先日再発行したクレジットカードもようやくとどきました。再発行だと番号も変わるしどうやら古い方の利用履歴も確認できなくなるらしく、今月いくら請求されるのかも謎のままあたらしいカードをぜんぶのサービスに登録しなおして……あ〜(;o;)持ち運ぶカードとオンライン決済で使うカードは分けた方がいいんですね。あとキャッシュカード止まりっぱなしなのもなんとかしないといけません。
晩は先日買ったはよいが持て余していたチルドの餃子を焼いて、冷凍していた豚の茹で汁をスープにしたてたものと食べました。チルドの食品を調理しているときはいつもチルドレ・イナラビッタと思います。みなさんのこういう別にあんまり関係ないが思い出してしまうことも教えてくださいね
以上です。どうもありがとうございました