よく晴れて少し歩くとダウンがいらなくなるくらいぽかぽかのおでかけ日和で、めいっぱい楽しもうと一日でづっぱりだったのでごくくたびれたおやすみでした。

昨晩はおひるやすみに寝たおかげかだいぶげんきが残っていたので翌日のおでかけにそなえて手早くねむりへむけた手順をこなし、おたく活動はあきらめて 1 時まえにはおふとんへ入ります。はやいめに魔法薬を飲んでおく戦略がまだ効力を発揮しているためか就寝もそれほど苦戦せず小一時間で寝付くことができて、寝起きは多少苦戦しつつもなんとか 9 時半には起きることができました。起き抜けは多少頭がいたんだものの、ずっと腫れていた右目も粘り強く目薬をさしていたおかげかだいぶんましになったので全体としては快方に向かっていると信じましょう。

起きてからはとりあえず身づくろいをしたら先日古着やさんで学んだあたらしいコーディネートにハンディアイロンをあてて、その効果の薄さを実感しつつおうちを飛び出します。いくら日差しがさしていて暖かいとはいえさむいのを我慢するのもなと思ってしっかりあたたかい肌着を着込んで出たら案の定歩いて 5 分でめちゃくちゃ暑くなってしまったのは失敗です。

あと完全に Apple watch のバッテリーが終わってしまったらしく一晩で 50%減っていたので身づくろい中充電器にセットしておいたはずなのにまったく充電されていない、それどころか再起動を繰り返して瞬時に 10%まで減ってすぐにうんともすんともいわなくなってしまいました。買ったのが 2022/7/3 らしくそこから 4 年近く文字どおり一日も休むことなく着用していたのでバッテリー的にはまあこんなもんだろうと思ういっぽう、10 年も使えないものを売りつけておきながら他方では梱包材を紙製にしてサステイナブルとはまったく笑わせると思います。もはや着けてないと不安にさえなるので新調しようかな、しかし最新機種でも最上位機種以外まだバッテリーが一日持たないというので二の足を踏んでしまいます。

ともかくせっかくがんばって起きたので朝ごはんは駅前の喫茶店で食べます。しばらく足が遠のいているうちにアフォガートが消えてその代わりかあたらしいメニューが増えていて、朝からプリンというのもかなり魅力的ではありますがおなかがすいていたのでいつもどおりピザトーストを食べました。意図せず開店直後に入店する形になったにもかかわらず店内にはすでにお客さんがいたし、かと思えばその後は退店するまで誰もこなかったりと喫茶店の回転率ってよくわかりません。ピザトーストはいつもどおりおいしかったですが、いつのまにかタバスコのボトルが消えていたのと建物に年季が入っているためか思いのほか足元が冷えてしまいました。

朝ごはんを食べたらまずは明日までらしいハンス・ウェグナー展を見に行きましょう。場所は憎むべき駅ランキング上位に名をつらねる渋谷、ユウウツでしかたありませんがともかく向かいます。念入りにマップを見てゆっくり歩いたおかげで出口の方角を間違わず会場のヒカリエにはほとんど迷わず辿り着けたものの、やっぱり駅から直接ビルへアクセスする道もあったらしく大都会の複雑さにはまったくうちのめされるばかりです。

みょうにきらきらしている店々を抜けて上へ登ったらウェグナー展へ、オンラインチケットの申込サイトがかなりきびしいできばえで iCloud のアドレスだと認証メールが届かなかったりカードで決済するのになぜかカード情報とは別に住所やなんやらの個人情報を入力させられたりと憎しみのつのる仕様だったのでおとなしく会場で当日券を買った方がよかったかもしれません。

この展示はハンス・ウェグナーの大回顧展とうたいつつも織田憲嗣という椅子コレクターにして研究家のひとがあつめた家具や図面などの資料が中心となっているらしく、1/3 くらいは織田憲嗣展だったのではないかというような気もしますがわりとおもしろかったです。

展示は基本的にほぼすべて椅子で、その椅子の設計図からコレクション由来の実物・パーツ単位に分解された開きまでいろいろな見せ方で椅子が置いてありました。どれも基本的にありえない量と精度の手仕事によって構成されていてそりゃ高いわなという感じではあり、なかでもサークルチェア PP130 はやばいですね。やんわり曲げた薄板を貼り合わせてでかい円を作り出していて、でかい円という脳内のイメージを木材で実現するためにはこれだけの工数がかかるのかと愕然としてしまいました。数は少ないながら机や洋服かけなどの家具類も展示されており、ライティングデスクの木材で構成されたスライド式のドアもカワイさの影にえげつない労力を感じてよかったです。

さらによかったのが中盤くらいにあったウェグナーのインタビュー動画、まずインタビュアーがウェグナーにぜんぜんハマっていないという横道のおもしろさがありつつウェグナーが思いのほか職人気質というよりむしろ技術者としてフラットな視点を持っているような語り口だったのが印象的でした。ちょうど機械による手仕事の代替が進んでいた時世において機械を使えるところにはどんどん使っていけばいい、でかい丸太を手のこで切り出すために腰が曲がってしまうことを神が許すか?というようなことを言っていたのはその理論づけもふくめておもしろいですね。ちょうど魔法知能が発達している現代に重なる部分もありつつ、しかし神のいないわれわれはどうしていけばよいのでしょうな。インタビュアーからどの椅子がお気に入りですかと聞かれて基本的には最新が最高だしそのように努力していますと回答していたのもめちゃめちゃアツかったです。

そうしてたくさんの椅子椅子を見て回り、緒言には以前の展示会でウェグナーが発した見て触って形を感じてみよというようなコメントもあったのにいっさい触れなかったな……と思ったら会場の出口付近にはちゃんと実物へ座れるコーナーがあった!むろん座れる椅子には全部座りました。しょうみどの椅子もあらゆる場所がよく動く今日の金属製オフィスチェアに比べるとかなり素朴な座り心地でよほど時間に余裕がないとこの椅子たちのパフォーマンスを十全には発揮できないだろうなと思いますけど、やっぱりどの部分をなでさすっても気持ちがよいというのはすごいですね。どだい無理な話ではありますがこんな椅子が一脚でもおうちにあって日当たりのよい窓辺にどっかり座ってグッタリできたらどれほどか気持ちのよいことでしょうなと思いました。

会場を出るとコーヒーやさんの併設されたショップもあって、どうやらコーヒー片手に後継家具へ座れるらしい。せっかくなのでめっぽうやたらに高いコーヒーも買って座ってみたらやはり気持ちがよい。ここにあるものは買おうと思えば買えるらしいのでまあとうぜんすうじゅうまんがスタートラインだろうと思いながら値札を見たら 120 まん、ピーコックチェアのシルエットを受け継ぐ PP-521 にいたっては 400 まんでちょっと笑ってしまいました。逆にダイニングテーブルとかはすうじゅうまんらしい、いやそれでもありえないくらい高いですけどじゃあいいかとさえ思ってしまうのがこわいですね。

会場を出てエスカレーターを降りるとどうやらなんかクリエイティブ?なイベントをやるスペースもあるらしく、せっかくなのでひとまわりしてみました。まずは ZINE などを売っているちっちゃいデザフェスみたいなイベント、ZINE と同人誌の違いはあんまりよくわかっておりませんがどうやら両者異なるプライドがあるらしいのでだまっておきます。大好きなネオンイエローのアクリルストラップとかわいい色のライターが売っていたので買いました。

次は現代作家の合同展示、やたら当て字の漢字+ひらがなという VTuber みたいな名前の作家が多かったしこの小さな銀河も奴可まぜおとかを名乗ってみようかなと思いました。隣の書店はどうやら個人がスペースを借りてワンボックス本やさんをやらせてもらえるらしく、しかし並んでいるのが 7 つの習慣とかネコ型人材とかなのがそんなばかな……と思いました。こういうところって生きづらさに関する小説やまだ日の目をみていない多様性をえがいたまんがを置いたりするんじゃないのかと思いますが、やはりじぶんで本やさんをやりたい!というバイタリティがあるひとはビジネス書だって選り好みせず読むのかもしれません。日本画にインスピレーションを得たような画風で執拗に描かれた美人画を展示しているスペースもありましたが、タイミングが悪かったのかだれもいなくてこわかったので一回りしたらすぐ抜けました。あとは 47 都道府県の縁起ものを扱う雑貨やさんもあり、われらがみちのくはいったいなにかと思ったら堤人形でそうですかと思いました。ものとしては岩手のしし頭と岐阜の雪入道がカッコよくてよかったです。

それにしてもそういう空間に来ておいてなにをという話ではありますがこういう場所って全体的に先のないごっこ遊び感があってこわいですね。もちろん中には魂を燃やしてやっているひともその作品が高く評価されているひとびともたくさんいることでしょう、たとえ目にはとまらなくとも週末にこういうところで創作キブンになってまたどんよりとした平日をしのぐ活力にするというのでもじゅうぶん立派だ。なにも感じられないのはこちらの感性の問題ですしまず誰あろうこの小さな銀河がしょぼい萌え絵やたま〜にまんが未満みたいなコピー用紙の束でなにかしたような気分になっているなんの感性もない蒙昧な一愚民という大前提をおいたうえで、それにしてもみんなこういう場を借りてまで表現したいことがあるのか?ほんとうになさけないはなしではありますけれども vernaze は言いたいことなんて一個もないのでケッというような気持ちになってしまいます。

次の予定までにはまだちょっと時間があるので、銀座線から赤坂見附で丸の内線に乗り換えてこんどは東京ステーションギャラリーの小林徳三郎展をみにいきます。個人的に明治〜大正期の洋画ってちょっとイヤ〜、しかしよく考えれば超有名どころしかみたことがないのでもう少し掘り下げられないかと思って行ってみたらけっこうおもしろかったです。

小林徳三郎はむろん洋画家としては立派な経歴で比較的早い段階から画壇でも頭角を表し舞台装飾や出版にいたるまで多岐にわたる仕事をのこしただけでなくどうも人格的にも慕われる人物であったらしく、なんでもっとウケてないんだみたいな手紙などからもその人物がうかがえておもしろかったです。画家の絶対数が少なかったためかいろいろやっているというのはちょっとマティスとかっぽいですね、木版の雑誌装飾なども実にモダーンなかんじで今でもウケそうです。

絵画に関してもたしかに超有名な大作にくらべれば小品にとどまるのかもしれないがモチーフの選定から筆致にいたるまでなんというか肉体がある、絵画からひろがる世界が地に足がついていてなんというか病んでいないし洋画にたいするへんなコンプレックスもあんまりないんだろうなという感じでゆったり見られました。とかく洋画というと技法ばかり舶来でモチーフがどうにも格式ばっているというか洋ものに寄せただけで別に興味ないんだろうなというような感じになってしまうのがニガテだったのですが、小林にかかれば静物といえばすいかやへちま、くだものを盛った皿にもびわが置かれているような気安い感じでそのぶん技法のこなれかたにまで安心して目配せすることができてほんとうにいい。イワシの徳さんとまで呼ばれたらしい代表作のイワシもうろこの輝きの中にピンクや青をとらえる観察眼とざるの影をとらえた?記号的な描線がちょっとポップアートの文脈につながったりとみどころたくさんでおもしろかったです。

展示の隣には本人の発言も掲示されていて、日本人の油彩は技法的にそれらしくなっているけれども人格的に真実を欠いているというようなことを言っていたのでまったくそのとおり!!!と意を強くしてしまいました。デッサンできねーやつは絵描くなみたいな強火発言も目立ったので YouTube やってたらインフルエンサーになっていたのかもしれません、その場合は絵でウケたいみたいなことを言ってある日チャンネル爆破しそうだなと思います。せっかくなのでストアでは柿の絵がかかれたポストカードを買いました。

あとはギャラリーを出たところにある東京駅の変遷に関する展示をしげしげ眺めているうちによい時間となったのでふたたび山手線へ乗り晩にひかえた魔道士のひとびととの宴会へ向かいます。今日の会場は協会本部そばだったのでイヤ〜な気分でいつもの通路を抜けたら大汗をかいたあげく逆方向だったらしい、長い通路を往復するハメになったのでごくくたびれたしちょっと遅刻しました。

今日の会場は餃子がウリらしいおみせで、最初に冷めると固くなると注意を受けていたにもかかわらず自分を含めてほぼ全員が遅刻したため序盤に餃子を注文することができずひまわりの種をかじりながらげんきドリンクをかたむける謎の時間もありました。それにしてもひまわりの種ははじめてたべましたがこれはたしかにうまいものですね。ピスタチオとかにくらべて食べるのはだるいがそのぶん華やかな香りがあって、同時にこれをハムスターにたくさん与えてはいけないというのも直感的に理解できる濃厚さなのでげんきドリンクがすすみます。

ようやくメンバーも揃う頃にはすでにべちょべちょですがあとは餃子を中心としたおそうざいでげんきドリンクを飲みながら話していたら終わりです。めちゃくちゃ遅れたひとがいたのでいったいなにがあったのかと思ったら献血に行って体調が悪くなったらしい、おやすみの日に献血行くのえらすぎるというのとそんなコンディションで宴会に参加して大丈夫かという気持ちが同時に生まれました。

あとはさいきんケコーンしたひとの新生活トーク、家電をひとそろい買ったりもして新生活スタートにかかった総額は PP-521 の半分ほどらしい、そんなにかかるのか……というのとそんなにかかってなおも PP-521 は買えないのかというのでなんか自分の中でだけかなりウケてしまいましたが意味不明なところでウケるやつにはなりたくなかったのでぐっとこらえました。なにもない新居に一脚だけデザイナーズチェアがぽつんと置かれていたらこれほどおもしろいことはそうない、そして世にはそういうどんぐりの使い方をする(してしまう)ひともいるのだろうなと思います。

今日はひたすらドラゴンハイボールを飲み続ける戦略でいったので、もちろんべちょべちょではあるものの胃にこたえないのでゲーするおそれなく帰ることができてよかったです。帰りの電車ではしっかりねむり、帰るころにはだいぶ世界の回転もおさまっていたのでおふろばのおそうじだけこなしました。

こんどはおなかが空いてきてしまったので先日作った味噌鍋におうどんを入れて食べていたらあっというまに日付が変わってしまいました。一日おでかけすると起きたことを書き起こすだけで一苦労ですね、そしてむろんこんな苦労はしなくてよい。

以上です。どうもありがとうございます

くらしのチェックシート