日中はそれなりに晴れているものの気温はあまり高くなく、ひさしぶりの遠出ですっかりくたびれはてたおやすみでした。
昨晩はてきとうに荷づくりをしているうちによい時間になったので二匹目のどじょうをねらうべくおたく活動はあきらめて 0 時過ぎにはおふとんへはいったものの幸運が長続きするわけもなく、いっこうにねむけがこないまま時間ばかりがどんどんすぎていく。あきらめて 1 時過ぎに魔法薬を追加して就寝は 2 時です。かなりはやいめの飛行機を予約してしまったので 7 時には起きましたが、アラーム音がいつもとちがったこともあり起き抜けなんでこんなことを!?と素でパニックになってしまいました。
ねむい目をこすりながら身づくろいをしたらいざ徳島へむかい出発です。まずは浜松町からモノレールに乗って羽田空港へ、ちょうどまどろみはじめるくらいの乗車時間であやうく寝過ごすところでしたがなんとか飛び降りたらチェックインもすませてしまいます。てきとうに航空券を予約したのではたしてちゃんと使いものになるのかかなり不安でしたがしっかりとマイルもたまったらしいのでよかったです、マイルがいったいなんなのかはいまだによくわかっておりません。
そうして手荷物検査もつつがなくおわり、フライトまでには小一時間あったので空港内のタリーズであさごはんにホットドッグを食べたりして時間をつぶしました。ホットドッグだけはどうしてもおみせのもののほうがおいしいですね、これくらいおいしいドッグ用のパンを入手するのがかなりむずかしい。パンに合うサイズのおいしいソーセージを見つけるのもなかなか鬼門です。
飛行機にはなにごともなく乗り込むことができ、遅延も発生しなかったのでよかったです。さいわいなことにいまのところ搭乗失敗したことはありませんが、なにせ手順が多いのでそう遠くないいつの日かなんらかのトラブルであっさり乗れませんでしたということになりそうでほんとうにこわいです。着陸時の揺れは少し大きく、たまたま Stormwarrior を聴いていたのでこのまま落ちるかと思いました。
そうして到着した徳島は……さむい!とにかく風がつめたく快適とはいいがたいおてんきです。3 月なので当然ですが南に向かうときはなんとなくあたたかいことを期待してしまうのでよけいにこたえますね。空港からはバスが出ているのですが
- 路線バスとリムジンバスが同じバス停から出る
- 路線バスの一部駅はキャッシュレス前払いが可能だがそれ以外の駅は現金
- そもそも運賃表がない?
などといった複雑怪奇なしくみになっており、バスに乗り込んでからもしばらくはほんとうに目的地へたどりつけるのかドギマギするはめになりました。空港についたタイミングがわるくバスを乗り換えするはめになったものさらにややこしく、乗り換えのバス停は路線バスが停まる「高速鳴門バス停前」と高速バスのりばの「高速鳴門」の二箇所が隣接していてどちらに乗ればよいのかわからない!あげくバス自体ガッツリ遅延していたこともあり、このままハト専用駐車場(以下図参照)に取り残されるのかと不安で仕方ありませんでした。
しかしようやく到着したバスに乗り込んでからあらためて確認してみたらたかだか 7 分の遅延、みちのくではこの程度茶飯事だったように思うしすっかり時間感覚が帝都ナイズドされていてよくないですね。
という感じでつつがないとはいいがたい道中でしたが、空港から 1 時間くらいでなんとか目的地の大塚国際美術館に到着です。大塚製薬にはじまる大塚グループの誇る焼成技術で複製された陶板製のさまざまな名画が見られるという触れ込みの施設で、さいきんだと紅白とかにも登場していたので言うまでもなく有名ですね。入館料が 3,300 えんだったのにガーンとなりながら支払っていたらとなりから「安っ!」という声が聞こえてきてひそかに恥ずかしかったです。
やたらに長くていかめしいエスカーレーターを登った先にある建物は驚異の 5 階建で展示数も 1000 点以上、軽めに長そうと思っていたらとうてい数時間では回りきれないボリュームでした。かんじんのできばえについては……ニセモノにはニセモノなりの矜持があるのだろうとひそかに期待していたのですが、陶板でできた名画のレプリカと聞いて想像する以上のことは起きないなというのが正直な感想です。最初はほんらい現地でしか見られないような巨大な壁画がそのままのスケールで再現されていることにおどろきましたがどうあっても複製は複製、見ごたえという観点ではどうしても単調ですね。せっかく原寸大でもなにせ陶板なので照明が反射して上の方はよく見えないし、触れられるといってもツルツルした質感が伝わってくるだけなのであんまり意味がない。マチエールってこんなにも絵画の鑑賞体験に影響するんだというのを再認識できたのはよかったかもしれません。名画そのものだけでなく聖堂などの設置環境までかんたんに再現されているのですが、とうぜんそれらもすべてレプリカなのでさびれた温泉地にある 3D ミュージアムみたいだなと思ってしまいました。実際のところもっと聖堂が身近な西洋人が見たらどう思うのでしょうか、日本人でいえば古今の仏像をスチロール製の仏閣とともに 3D プリンタで再現しましたみたいな展示を見たらやっぱりなんだこれはという気持ちが真っ先に来そうな気がします。
展示内容についてもポンペイからウォーホルまであらゆる西洋絵画がざっくり年代順にならべられているだけで、そこになんの意図も企画もないのでいくら数があってもシナジーをうむことはありませんでした。ひとが集中を切らさず一日に見られる絵画の枚数には限界があるなというのをしみじみ実感するばかりです。基本年代順なのでしかたがないとはいえ序盤に読み解きにかなり前提知識が必要な超古典的宗教画や神話画がならぶ配置もどうなんだと思います。完全に自業自得ですが序盤にエネルギーと時間を費やしすぎて後半の近現代を流し見することになってしまったのもざんねんでした。あとモネをやめろ、睡蓮をやめろ、ひまわりをやめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!結局のところ冒頭の創設者からのコメント:
実際には大学生の時に此処の絵を鑑賞していただいて、将来新婚旅行先の海外で実物の絵を見ていただければ我々は幸いと思っております
のとおり学生のころにいつかホンモノを見に行ってやると野心を燃やしながらここで登場する単語を手掛かりに基本的な見方を学ぶのがよさそうです。もしくは多人数でワイワイしながら名画に関するトリビアでマウントをとりあうのも気持ちいいかもしれません。
荷物をロッカーに預け忘れたこともあって見ているうちに肩も足もいたくなってきたので途中にあるレストラン?カフェ?でおひるごはんも食べました。海鮮丼があったのでおしるしにという気持ちであまり期待せず頼んだら意外とよくて、つけあわせのわかめスープも鯛のあらでだしがとられているらしくおいしかったです。館内は基本写真撮り放題なのでいちおう何枚か撮りました:
睡蓮が展示された区画の終わっているコーナーです。なんといえばよいのかわかりませんがすごく 2000 年という感じがしませんか?
トライポフォビア一歩手前の映えスポットです。ちゃんとイケイケな若者の集団が写真を撮りまくっていてほんとうにこわかったので一目散に逃げ出しました、ほんとうになさけないです
技術を誇示するコーナーにあった火焔式土器のレプリカ。なんと形だけでなく重量まで再現しているらしい。どうやって密度をあわせたのかが気になって聞いてみたら CT スキャンで比重を測定したとのことでそうですかと思いました。
あまりの分量に心折れそうになりながらもなんとか 1 階までたどりついたところで無念の時間切れ、現代パートについてははいはいブラックねポロックねウォーホルねという気持ちで流し見しておわりです。1 階には構図や光といった観点から何枚か厳選したコーナーもあり、ここだけみておけばじゅうぶんかもしれません。とにかく広くて長いうえ空港からも遠いので完全攻略を目指すなら鳴門に拠点を構えないとむずかしそうですし、そこまでして全館見るべきかと言われると……。よく考えたら勇気さえあればルーブルでもアムステルダムでも行けるんだからパスポートが切れるまえに行こうと思います。
美術館を出たらバスでホテルへ向かいます。このバスというのがやっぱり曲者で、路線バスと大阪まで向かうような高速バスのバス停とが隣接しているせいで初見ではどちらに乗ればよいのかぜんぜんわからない。さらに路線バスの方も複数路線があるうえそれぞれどこに停まるのかがまったくわからないので運転手さんにきくほかありません。ここだろうというところに勘で並んでいたらいきなり声をかけられて、このバスはここに停まりますかと質問されて泡を食う場面もありました。まったく大きなお世話ですが観光地のバスに並んでいるようなやつが路線について熟知している可能性はかなり低いのではないかと思います。やっぱり 10 分くらい遅延して乗り込んだバスは運転手さんがめちゃくちゃ喋るタイプのひとで、最終的にこの路線は意味不明でバス会社がアホすぎるみたいな話になっていたのがかなりおもしろかったです。
そうしてなんとか宿にたどりつき、チェックインは 18 時でした。宿は見た目こそかなり不穏ですが中はつい最近改築したばかりらしくぴかぴかで、広縁もある旅館然としたお部屋でコンセントの少なさにさえめをつぶれば最高です。広縁って正味あっても使わんのですが存在自体がこころをいやしてくれることは言うまでもありません。
ほんとうは裏世界ピクニックにあやかってお部屋で晩ごはんまでたべられるプランにしたかったのですが、さすがに直前では予約できなかったので晩はてきとうに外でたべることにします。理想は観光客を目端にいれつつ地元密着系の居酒屋ですが、祝日で混んだ店内からの視線を受けながら断られまくりあてどもない旅をつづけるシチュエーションを想像したらめちゃくちゃ体調が悪くなってきたのであきらめてネット予約できる駅前の地元チェーンぽいおみせですこしだけげんきドリンクを飲みました。おりょうりはどれもわりとおいしく中でもカツオのたたきはどんよりした色だったのであーあと思ったらしっかりおいしかったのが意外でした。あんまり徳島関係なさそうですが明日葉のてんぷらもおいしかったです。だらだら飲んでいたらお会計が 7000 えんをこえて愕然としてしまいました。飲む量はほんとうにたいしたことないのでやっぱり食事を食べすぎなのでしょうか、食べたことのないおりょうりをたのみまくっているとあっというまにすごい額に膨れ上がってしまいます。
よい気分でホテルに戻ってからは浴衣にきがえてしばらくやすみ、ねむけがないうちにおふろにも入ってしまいます。大浴場はこじんまりとしているものの打たせ湯や泡風呂といったちょうど銭湯くらいの変わり風呂があって、なによりひとがほとんどおらず貸切状態だったのでかなり快適でした。おへやにもどってコンビニで買ったちっちゃめのカップ麺やアイスを食べながらボルゴウを書いていたらなんだかんだ遅くなってしまいました。さいごねホテルのめちゃくちゃカッコいいサインをおみせしますね:
タラップの出番がないことを祈りつつ寝ます。どうもありがとうございました